コーチン執筆
| | 君は、僕の妻になったけれど、いつも、僕が不思議に思っていることがある。
いつか、君との結婚の報告に、僕の上司に会ってもらったことがある。
その人に、仲人をお願いするために、だった。
上司夫妻は、僕が事前に、結婚したい相手はモデルを職業としていると言っていた。
挨拶に連れて行った君は、
トンボのようなめがねをし、うさぎの耳のように髪を編んで束ね、洋服は、
何処から見ても、社会人一年生のような黒のスーツ、メイクは薄い。
上司は、すでに、君を雑誌か何かで知っていたのだ。
それは、上司の高校生の娘さんから、君の情報を聞いていた。
現れた君は、ごく普通の、どちらかというとふっくらした、
決してモデルをしている体型でない、背の高い“オンナ”だったのだ。
上司夫妻は、その後何度も君と会う機会があったけれど、結婚式&披露宴で
はじめて、君の真の姿を見たのだ。モデルを職業としている君の花嫁姿を。
君は、僕に、いっぱい愛ある手料理を作ってくれる。そして、君も、たくさん食べる。
君と一緒に、君が食べていると、ついつい美味しいし、僕も、いっぱい食べる。
世にいうダイエットなんて、我が家には関係ない。
それでいて、君は、モデルという職業を現役している。僕は、おかげで太り気味では
あるけれど。でも、君は、仕事の一週間前には、普通の君から、モデルの君に
体型を戻す。
変化ある、君。
不思議な、君。
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